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【資料名】 京郷新聞 , 1994.10.27. 

南海岸~日本の九州北部を結ぶ230km
民間資本150兆ウォンをかけ2020年に完工
ルート・地質調査完了……国際ハイウェイ連結軸期待
韓 日 海 底 ト ン ネ ル “ 始 動 ”

 我が国の南端から対馬、壱岐など大韓海峡を経て、日本の九州北部に至る区間を海底トンネルで結ぶ韓日海底トンネル建設事業が双方の民間次元で積極的に進められている。このトンネルの総延長は、我が国の海底基地の位置により209~231Kmに達し、英国とフランス間のユーロトンネルの4倍を越え、工期は15~20年、事業費150兆ゥォンを要する世紀の巨大プロジェクトとして2020年の完工が目標である。日本側の日韓トンネル研究会と我が国の韓日トンネル技術研究会は、近頃800億ウォンを投入して共同で最適ルート・地形および地質調査を完了し報告書を作成中である。特に日本側は施工方法および運用試験のため、トンネルの始発予定地である九州の唐津に500mの海底掘削を完了しており、この事業を国家プロジェクトに格上するための活発な動きを見せている
 双方の研究会は、来たる11月14、15日、東京で中国も参加する中、「21世紀の東北アジアの交通と韓日トンネルの役割」という題で国際シンポジウムを開催する予定である。この会議には北韓も参席し、「北朝鮮での交通輸送の発展と豆満江計画」に関する題で発表することになっている。
 今後、地質調査の結果がで次第、我が国の海底基地の位置を確定する計画だ。現在、対馬と我が国との間には層厚400mに及ぶ、いまだ凝固していない柔らかな地層(未固結層)が40Kmにわたり分布しているうえに炭層もあり難工事が予想される。
 検討されているルートは、壱岐島~対馬(下島)~巨済島を結ぶAルート(209Km)、対馬(下・上島)~巨済島のBルート、対馬(下・上島)~釜山のCルートなどで、地質学上、釜山よりは巨済島ルートが適当であることがわかった。トンネルの交通手段としては鉄道道路を考えることができるが、高速道路の場合、換気および事故時の対応などの防災、運転時の疲労などの面で問題が多く、鉄道が有力視されている。現段階では高速鉄道を予想しているが、技術開発の速度から見てそれより2倍ほど早い磁気浮上式列車も可能であると考えられる。建設の側面での工期短縮と稼働時の換気のため20Kmおきに人工島を建設する問題も検討している。
 世界的にも交通の専門家達の間には、ユーラシア大陸の東西を高速交通システムで結び、さらにそれをアフリカ大陸と南北アメリカまで連結させ、全地球を一つの交通体系で結ぶという「国際ハイウェイプロジェクト」の構想がある。この壮大な計画を実現する為の1段階の措置として、東京~ソウル~北京を結ぶベセト(BESETO)ハイウェイが提案されているが、韓日海底トンネルはそのハイウェイを構築する核心部分として進められている。中国もこの提案に積極的であり、北京と鴨緑江付近の丹東間850Kmの高速道路建設のための妥当性調査に着手しており、去る5月、このプロジェクトを10大工事の一つに指定した。
 我が国では86年、国際ハイウェイ構想に関心を持つ地質学専攻の教授らが「韓国国際ハイウェイ研究会」を設立し、92年に道路、トンネルおよび地質に関する専門家達で構成される「韓日トンネル技術研究会」(会長:成百詮)が発足し活動を始めた。この研究会は、巨済島でボーリング調査を実施するなど地質調査およびトンネルプロジェクトに関する我が方の対応方案を練っている。
 このプロジェクトは土木技術の側面でも世界的にその前例がない巨大な規模である上に、韓日の国境を越えなければならないなど事前に解決しなければならない問題があまりにも多い。また、莫大な投資費用の財源確保もたやすくはなく、実際に着工するには相当な論議と期間を要するものと予想される。

訳責:特定非営利活動法人 日韓トンネル研究会事務局

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