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NPO(特定非営利活動法人)日韓トンネル研究会のWEBサイトです。日韓トンネルに関連する新聞・雑誌・書籍の記事を掲載します。 |
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【資料名】 夢の韓日海底トンネル建設:月刊アリラン , PP.14-15 , 1994.9. アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカを結ぶ国際ハイウェイの第1次案 夢の韓日海底トンネル建設 東京からロンドンまで国際ハイウェイに乗りノンストップで! 幼い頃、漫画や空想科学雑誌などでみた話が現実のものとなる。その作業が一歩一歩進められている。世界の主な都市を結ぶ国際ハイウェイがそれだ。その手始めがまず韓国と日本を結ぶ“韓日海底トンネル建設計画”である。始まってから今年で13年目だ。 総延長235km、10兆円規模の世界最大のトンネル 総延長235Km、建設費用6兆~10兆円の世界最大の海底トンネル完成に向け、81年にテープが初めて切られた。以後、10年間の地質調査の実験段階を経て、本格的な推進の段階を迎えている。その日韓海底トンネルの進展状況と今後の壮大な計画を展望してみた。 韓日トンネルの構想は、1981年ソウルで開かれた“科学の統一に関する国際会議”で、世界基督教統一神霊協会の創始者、文鮮明氏が提唱した“世界平和ハイウェイ構想”の一部分だ。“世界平和ハイウェイ構想”とは、ユーラシア大陸の東京~ロンドンを高速交通手段で結び、これをアフリカと南北アメリカ大陸まで延長し、世界を一つの交通体系で連結しようとするもの。この世界平和ハイウェイの実現は、人と物資、情報が円滑に流通することにより、世界が均衡ある地域経済発展を遂げ、世界平和の実現を可能にするという理念のもとに提唱されたものだ。 その第1次案が東京~ソウル~北京を結ぶ“アジアハイウェイ”。第1次案の実現のための細部計画が、韓国と日本の間に海底トンネルを建設する構想だ。 韓日海底トンネルの実現にむけて、1982年4月“国際ハイウェイ建設事業団(東京所在、会長:久保木修己)”が発足し、そのもとに研究・調査機関として“日韓トンネル研究会(会長:佐々保雄・北海道大学名誉教授)”が発足し、地質・地形調査を開始した。 これまで調査されたのは、北部九州、壱岐、対馬の第1次地表踏査、佐賀県東松浦半島のボーリング調査、音波探査船を使用しての韓日海底トンネル海域の地形調査、建設技術と工法の研究、海洋調査、環境調査などがである。その結果、技術的にはトンネルの建設になんら問題がないという結論を得た。 最大水深170mで世界最高のトンネル 86年10月には、韓日トンネル建設に利用するパイロットトンネルの調査坑建設が、佐賀県鎮西町にて熊谷組と三井建設の共同作業で開始された。坑口の大きさは幅6m、高さ5.5mで、90年末までに第1次計画の410m掘削を終了した。今後、調査坑は1500mまでの延長が予定されている。 一方、韓国でもやはり86年“国際ハイウェイ研究会”が発足し、韓日間の技術者交流を行なうなど、トンネル建設の協力体制が完成しつつある。 これら10年余りの基礎調査と専門家による研究の結果“、韓日トンネルは可能性が非常に高いことが判明した”との報告書が作成されている。現在、構想中のトンネルは、九州~壱岐~対馬~釜山を経由する総延長235Kmのトンネルで、そのうち九州と壱岐の間は橋で結ぶ案が検討されている。 海底トンネルのルート中で水深が最も深いところが170m。すでに日本はドーバー海峡トンネル(50.5Km、最大水深60m)を越える青函トンネル(53.8Km、水深140m)を掘削した実績があり、海底掘削に無理はないものと判断されている。すでにドーバー海峡海底トンネル建設にも日本の掘削機と技術が利用された。 しかし、これまでの調査・研究は、民間企業と個人を中心とした組織による成果であった。さらに詳細な調査と本格的なトンネル建設が始まるためには、トンネルの詳細設計と運営計画を決定することが残されている。 とすると、この工事はこれまで通り民間主導で建設運営されるのか、あるいは国家、民間企業、地方自治体が共に運営する第3セクター方式となるのだろうか。 国家的な関心を呼び起こし活動を開始 ところで工事の性格上、このトンネルが韓日両国の領土を結ぶものであるため、トンネルの建設にあたって、2国の政治的次元で解決しなければならない問題が山積している。また、総工費が6兆~10兆円と予想され、実質の工事期間が13年かかるという超メガトン級工事だ。それゆえに国家主導の工事にならなければ少しも進展が見られず、トンネルの実現は困難と思われる。 これらの点を考慮して、日韓トンネル研究会はこれまでの民間と個人の次元の調査研究と併せて、国際世論を呼び起こすことに焦点を合わせてゆく計画だ。すなわち国家プロジェクトとしてのトンネル建設を進めるため、日韓セミナーのような学術会議の開催や、“日韓トンネル推進議員連盟”などを設立するなどだ。 もし韓日海底トンネルが結ばれたとするとどんな効果があるだろうか。 釜山~九州の区間は直径13mの本トンネル2本と、本トンネルの間に小さな補助トンネルが敷かれることになる。トンネルを走る車は時速500Km以上の磁気浮上式列車で、釜山~九州間を30分以内で走るようになる。 このトンネルが延長されて北京まで結ばれると、九州~北京間は約3時間30分あれば往来が可能となるという驚くべき交通革命がなされることになる。 韓日トンネルが完成することによって算定される経済効果は15兆円から20兆円以上だ。アジアハイウェイを通じてのアジア全地域の連結は、相互補完効果も高いと期待される。それだけではなく、このハイウェイの開通で得られるのは経済効果だけではない。人、情報、物資の交流が円滑になることで、アジアの均衡ある発展が可能になる。 いつ完成を見るかまだ予想はできないが、国際ハイウェイが開通すれば、日本を出発して、韓国、中国を経て、遠くヨーロッパまでドライブするという夢のような話が本当に可能になるのだ。 訳責:特定非営利活動法人 日韓トンネル研究会事務局
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