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【資料名】 高冠瑞:21世紀に向けての釜山の発展方策,北釜山青年会議所創立20周年記念 21世紀に向けての釜山発展大討論会 , PP.5-.8 , 1991.6.15. 北釜山青年会議所創立20周年記念 1991年6月15日(大韓民国・釜山市) 21世紀に向けての釜山の発展方策 高冠瑞 創立20周年を迎える北釜山青年会議所の金禎求会長、今回の会議に参加し、知恵と知識を分かち合おうとお集まりになった釜山地区のJCの皆様、そして参席者の皆様!今日、皆様方をお迎えし、我が釜山の発展方案についてお話させて頂くことを光栄に思います。 我々は、6.25(韓国動乱)で焦土と化したこの山川から、素手で立ち上がり、今日の先進韓国を作り上げてきました。今、韓国は地球の東方の一隅に隠れた“静かな朝の国”ではなく、ほとしばる朝の日ざしを掲げて歴史の先頭隊列に進入した若い国です。それ故に2000年代の世界史は、韓国と韓国人を除いては記録できないものです。 今、北釜山青年会議所も盛んに活躍できる成年になりました。従ってこれまで積み上げてきた業績をさらに内実化し、21世紀の地球村を率いる主翼になれるよう、発展と精進を継続すべき重要な転換期に立っています。 世界大戦以後から1960年代までの先進国の関心事は、局地的戦争と学園紛争(我が国では今日でも問題になっているが)に象徴されるように政治と社会体制にあり、70年代からの脱イデオロギー時代に入ってからは科学技術の問題が関心を引くようになりました。 科学技術の問題はイデオロギーや政治体制とは異なり、局地的な問題ではなく世界的な人類共通の問題であります。 ところで、この科学技術は私たちにばら色の人生を約束してくれる反面、人類滅亡をもたらし得るという両面性を持ち合わせるという事実をいつも注視しなければならない。そして科学技術を取り扱うのは人間であるために人間性が問題になり、人間性の問題は良心と倫理の問題であるので究極的には心の問題であります。 従って21世紀を控えた1980年から、特に先進国の若者たちの間での最大の関心事として台頭し扱われている問題が、このような内的な心の問題であり、外的な科学技術に比べて、その関心度がさらに増加しているのが実情である。この心の問題とは“どのようにして心と体を統一させ成熟した人間をつくるか?”ということである。人間は体は主に衣食住のような外的な価値を追求し、心は善を追求するために、いつも内的な葛藤を起こしながら選択、行動するが、結局は自己中心的で利己的な決断をすることにより、心がなそうとするがままになせず、肉身がなそうとおもうがままになすようになり、社会のすべての不条理と非理を形成している。 21世紀を導く主翼は、心を主体とした成熟した価値観を持った民族が世界を主導するようになるのである。それゆえに、釜山が世界の中心になり繁栄するためには、さまざまな政策と財源、戦略も必要であるが、何よりも重要なことは若者たちの心がけであると思います。そうであれば具体的に心をどのように変えねばならないかが問題になります。 “転換の内容が何であるか?”といえば、今までは自分の村であるとか国家だとかいうような地域的な発展にだけ価値を置いてきたが、これからは地域社会から共同社会へ、自然征服生活から人間と自然が調和した生活へと、うぃはぷっじょぎん成長から全般的な均衡へと、私の宗教から世界の宗教へなど、われわれの価値観を転換しなければならないことを意味します。このことは世界的な碩学ハイデガ-、ヤスポス、ポレストなどすべての学者たちが異口同音に叫んでいることです。わたしたちが釜山について考える時、いまだに地域主義、自然征服、私の宗教だけの救い、成長為主の価値観を持っていないかを反省しなければならないのであります。 地球村時代を控えて新しい思考の波動はとうとうと流れており、いかなる個人や民族の力ではどうにもならない状況にまで拡散しています。 われわれは現在1週間に6日働きますが、地上に戦争がなくなれば1週間にもう2日間遊んだとしても現在の我々の生活水準を維持することができ、世界規模で適材適所に生産および分配がなされればもう1日さらに遊んだとしても現在の生活水準を維持することができるといいます。 URをいまさらのように論ぜずとも、バナナを我が国で栽培したとしても世界的な競争ができず、またその必要もないのであります。それゆえに最も韓国的なものが最も尊く代切なものであり、世界競争でも生き残れるものになり、芸術になり、文化になり得るのであります。 このような立場から今後の釜山を眺望してみると、21世紀の釜山は理念と国家の障壁を超越した巨大な国際都市へと成長するほかないので、ひとつの都市が、従来の国家でもあり地域(地方自治体)でもあるという空間概念が存在せねばならない。 あたかもアメリカのボストンからニューヨークを経てフィラデルファへと続くアメリカメガロポリスや、日本の東京-名古屋-大阪-神戸を結ぶ新巨大都市に見られるような、環太平洋地帯の国際海洋都市へと、釜山は、蔚山-釜山-馬山-昌原-鎮海-巨済島を結ぶオリエントメガロポリスへと、現在の行政区域体制に固執できなくなり、周辺都市は巨大な地域都市へと成長した釜山と調和をなすよう、その都市の特性を生かした役割分担がなされればならないのであります。 また釜山の位置は、日本の下関-福岡-長崎を結ぶ巨大な海洋都市と一体となって、さらに世界の中心都市へと成長するのであります。 従って、製造業、サービス業、居住地域が混在する現在の都市機能を果敢に脱皮し、情報、通信、金融、香港の釜山誘致、先端技術及び24時間サービス体制を敷いた国際交易機能とテレポートを新たに造成・育成しなければなりません。 加徳島の新国際空港は単純な国際空港ではなく、宇宙往復船(スペ-スシャトル)の離着陸を兼ねた国際空港になるよう規模を広範囲に準備し、アメリカやヨーロッパからやって来る客が、一旦釜山に降りて東京に行ったりペキンに行ったりできるようにすれば、釜山は世界の中心になるほかないのであります。それだけではなく、現在盛んに推進中の韓日トンネルが完成すれば、国際ハイウェイと連結される巨済島の位置も考慮に入れねばなりません。大韓海峡を30分で走破するようになれば、日本の福岡も決して遠距離ではありません。 諸々の施設と技術はさておいても宇宙往復船の離着陸が釜山になれば、施設と投資は自動的についてくるようになり、結局すべての問題が順理的に解決されると思われます。 地域の特性上、現在の半分程度しか受容できない港湾施設の拡張も重要ではあるが、水産物の生産、輸出、加工、漁船の勢力など水産業のあらゆる面で全国のほとんど半分以上が釜山にできており、将来の食料資源を海洋から得るためにも水産や海洋に対する総合的 な開発都市であるマリノピア計画も軽んじられない。 多くの人々が国際化、都市化、情報化、宇宙化を論じ、新しい時代が始まったとしている。この言葉は未来の釜山は巨大都市へと発展し、その巨大都市に釣り合う先端技術工場団地(テクノタウン)、情報団地(テレポート)、国際交易団地、金融団地、休養地のようなすべてのものを結び、移動させる交通(港湾、空港)手段が調和と均衡をなして、あたかも五臓六腑が互いに協助して健康な人体を形成するように、総合的な企画と建設が必要であるという意味である。言い換えれば、まず知って(情報)、作って(技術)、よく売って(流通)、私のみではなく人類すべてが共存、共生、共栄の道を開こうということであります。それは国の体制が変わるということだけではありません。それはむしろ哲学と価値観と生活構造と意識構造が変わることを意味します。それは様々な次元で広がる革命を伴います。そして痛く、苦しく、力に余るものであります。しかしそれをよりよく、より美しい創造を来す方向に導くためには、君と僕と彼らをひとつに束ねる我々すべての涙ぐましい努力が必要であります。 古き時代が過ぎ去り、新しい時代が開かれるということはひとつの大きな転換期です。 転換期とはその性格上多くの工夫とみきわめを必要とします。問題が多く、かつ複雑に発生するためであります。 しかしその困難を耐えてゆけば偉大な発展の結実を収穫するようになることも事実であります。 何とぞ釜山ICの皆様方は21世紀の世界を主導する聡明な役軍になられるよう願って おります。 ありがとうございます。 訳責:特定非営利活動法人 日韓トンネル研究会事務局
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