Q 日韓トンネルの建設は技術的に可能ですか?
A 日韓トンネルの建設は技術的に可能と判断しています。

総延長53.9Kmの青函トンネルを掘削した山岳工法、総延長15.1Kmの東京湾アクアラインを建設したシールド工法と橋梁技術を応用すれば日韓トンネルの建設は可能と判断しています。


Q 現在の技術で日韓トンネルの建設は可能ですか。
A 可能ですが一部技術開発が必要です。

九州本土から壱岐、対馬までは現在のトンネル掘削技術で可能です。対馬と韓国の間については技術の開発が必要です。対馬海峡西水道と呼ばれるこの海峡には含水率が高く未固結の新期堆積層が広く深く分布しておりシールド工法の適用が妥当ですが、水深が150m〜200mあり、この程度の大水深下でのシールド工法適用例がありません。従ってシールド工法の技術開発が必要です。


Q 日韓トンネルの工期は何年くらいですか?
A 工期については提示できるほどの検討が行なわれていません。

トンネルの周囲の環境、工法の違い、成果物の違い、また工事年代や建設予算配分の違いによって相当な差異が出てくるため現時点では算出不可能です。


Q 海底トンネルで地中深く潜ると地熱で熱くなりませんか?
A 問題になるほどの地熱上昇はありません。

地熱は100m掘ると平均で3℃上昇します。日韓トンネルは海底下数百m以浅を掘るので人体に危険を及ぼすような熱さにはなりません。


Q 海底トンネル内に海水が漏れて入ってきませんか?
A 許容範囲内の少量の漏水が予想されます。

少量の漏水はどうしても生じます。これをゼロとすることは非常に困難です。その上、漏水をゼロとした場合にはトンネル躯体は水深に比例する静水圧を受けることになります。躯体並びに周囲の地山を傷めない程度の少量の漏水は動水圧として小さな圧力となり、構造物の安全性にはむしろプラスとなります。長さ53Kmの青函トンネルの場合は、津軽海峡の水面より海底まで140m、さらに100m底を走っていますが、現在も恒常的に毎分21tの湧水がありポンプで汲み上げています。汲み上げた海水は水温が年間を通じてほぼ一定なためヒラメの養殖などに利用されているようです。


Q 九州には活火山が多く地震も多発するようですがだいじょうぶですか?
A 壱岐・対馬を含む北部九州には活火山はなく地震活動も少ない地域です。

日韓トンネルが通過する壱岐、対馬およびその周辺には活火山はありません。また、地震の多い日本国のなかでは地震発生が非常に少ない地域です。しかしながら発生しないわけではなく歴史地震をみると1700年に対馬近海を震源とするマグニチュード7の地震が発生し、壱岐・対馬・朝鮮半島南部で被害が出たこともあります。


Q 地震があっても海底トンネルは大丈夫ですか?
A 海底トンネル内の揺れは地上の数分の1以下といわれ比較的安全です。

地震の際の揺れは、地下深くなるほど小さくなる傾向があります。海底トンネルが通過するような大深度地下空間における揺れは地上の数分の一以下と言われており、地震に対する安全性が高い空間と言えます。


Q 人工島や海底トンネルの浅い部分の地震対策はどうしますか?
A 海水の浸入を防ぐための対策が必要です。

周囲が高水圧の海底トンネルや人工島基部は地震の揺れに対して安全性を確保しなけれはなりません。東京湾相横断道路で採用された可とうセグメントのように、トンネルの壁をゴムでつなぎ、トンネル構造物や人工島の揺れの違いをゴムの弾力性で吸収して地震から守るなどの方法もあります。


Q トンネル内の衝突事故や火災が心配です?
A 衝突事故を防ぐシステムの導入と万一に備えた避難通路の確保が必要です。

トンネル内を走行する事故防止には新幹線で実証されているような高度な信号システムが必要です。日韓トンネルの場合、両国の信号システムの整合性をどのように取るかが課題となります。また往路復路を別々のトンネルにすれば安全性はさらに高まります。万一に備えて、列車が走行するトンネルとは別にあるいは隔離したトンネル空間を確保し避難通路とすることも考えられます。それは青函トンネルや東京湾アクアラインのトンネル部分でも実現しています。


Q パイプラインや電力線の併設は安全上問題がありませんか?
A 安全上問題があるので専用のトンネル内に設置するか海底敷設とします。

天然ガスや石油を運ぶパイプラインは高圧ガスや可燃性液体を運搬するため専用のトンネル内か海底に敷設するのが現実的です。また超伝導体による送電や、交流に比べ長距離送電が有利な直流送電も将来可能になると考えられます。


Q 日韓トンネル地域に活断層はありますか?
A あります。ただし活断層に関連した被害地震は知られていません。

活断層とは約100万年前より新しい時代に動いた形跡のある断層のことです。佐賀県や福岡県、長崎県の中部以北は活断層が少ない地域で活断層に関連した被害地震は知られていません。


Q 対馬の北西海域にあるという断層はトンネル施工上問題がありませんか?
A 断層であるかは不明ですが設計・施工上の重要なポイントとなります。

対馬の北西岸10Kmほど沖合には対馬と並行して落差1000m級の基盤層の落ち込みがあり通常対馬トラフと呼ばれています。その成因については今後の調査研究が必要です。そこに断層の存在が確認された場合には、その性状を明らかにして、それに応じた対策が必要になります。青函トンネルでもしばしば断層に遭遇していますが、その都度適切な対策がとられています。